国登録有形文化財 旧五十嵐邸 ギャラリー
一回通り土間を見通す
建物の中は通り土間を持つ純粋な町家となっています。診療室は2階に置かれ、玄関近くの洋風の階段から上がりました。
1階なかのまからみせを見る
四室が縦に並ぶ町家の間取りです。「二十三番」と記された電話室、金庫などが見えます。
2階診療室
南向きの明るい洋間に診察椅子が2脚置かれていました。
母屋の奥には、海鼠(なまこ)造と鉄筋コンクリート造の蔵が並び建ち、同一の庇や平野のつなぎ蔵(前身建物の煉瓦壁が残る)で連結されています。庭には、診療用の水を汲み上げたポンプ、池、稲荷舎などが置かれています。
建物は東海道が緩くカーブする場所に建ちます。ここは蒲原宿でも町家が良く残る場所。
ペンキの外観が人目をひきますが、瓦屋根の勾配や、出入りのある正面が町家の屋根なみに溶け込ませています。
1階玄関からみせを見る
玄関を入ると小さな叩きがあり、ここからみせに上がれるようになっています。右手には小さな洋間が設けられています。
おかってから表を見通す。
旧五十嵐邸歯科医院には、水廻りなどの生活空間が良く残されています。へっつい、洗出しの流し、五右衛門風呂・・・。氷を入れる冷蔵庫、網戸入りの食器棚などの装置も良く残っています。
障子と欄間飾り
欄間は種類が多く、見せ場になっています。西側は透かし彫りのものがはめ込まれています。1階は近江八景、2階には富士松原が描かれています。
階段
西側座敷の奥、便所の手前にある階段です。診察室へ上がる階段と異なり、急勾配の手すりのない箱段とされています。家族用の階段だと思われます。
1階洋間
玄関入ってすぐのところに洋間が設けられています。漆喰塗りの壁・天井とされ、寄木床、簡素な造りのメダリオンなどが特徴的です。
2階西側の座敷
西側は1・2階とも座敷飾りを持つ凝った造りとされています。
母屋の裏を庭から見る
庭に面した側も大きな開口部が特徴。右手には昭和15年(1940)~16年(1941)に増築された離れが見えます。その後方には外便所、患者様用便所が続きます。
技工室
小窓から薬などの受け渡しをしたそうです。機械や薬瓶が多数残っています。
離れ
子供部屋としてつくられていたといいます。天井や窓は洋風ですが、畳が敷かれていたようです。